特別支援学校の近くに住んだ方がいいのか。
その気持ち、すごくよく分かります。
家づくりや引越しを考えている障害児の親なら、一度は考える問いではないでしょうか。
我が家は「近くに住まない」選択をしました。
実際に通学を始めて、どうだったのか?
後悔はしていません
この記事では、なぜ近くに住まなかったのか、そしてスクールバスで通学している今、正直にどう感じているかをまとめました。
- 障害児がいる家庭が土地を選ぶときに考えるべきこと
- 特別支援学校への距離より優先すべき4つの判断基準
- スクールバス通学30分のリアルと参観日タクシー代の話
- 放デイ・ショートステイとの距離が意外と重要な理由
同じように悩んでいる方に、学校の近くに住まなかった場合がどんな結果になるのかを参考にしてもらいたいです。

ノートくん
-3児の父で会社員–
障害のある息子を育てる家庭で、近隣トラブルをきっかけに本気で家づくりを考えるようになりました。
会社員として働きながら、家族の時間や暮らしをどう守るかを日々模索しています。
このブログでは、障害児家庭として実際に家づくりを進める中で感じたこと、悩んだこと、役立った情報を、同じように悩む家庭の判断材料になるよう発信しています。
暮らしの中で役立ったグッズや生活の工夫も紹介しています。
▶まずはこちら【原点と心の記録】

ノートくん
-3児の父で会社員-
障害のある息子を育てる家庭で、近隣トラブルをきっかけに本気で家づくりを考えるようになりました。
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特別支援学校の近くに住まなかった理由|家族全体の生活を考える
特別支援学校の近くに住むことで、通学が楽になり緊急時の対応など親の負担も少なくなります。
一方で、定常発達の兄弟がいる家庭などは全てを障害を持つ子だけに合わせるのは難しい場合もあります。
我が家がまさに該当していて、障害のある長男含む3人の子どもがいます。

普通の小学校とは違い、特別支援学校に通う多くの生徒は通学時の送迎に付き添いが必要です。
付き添いといっても我が家の場合は、スクールバスがあるのでバス停までが送迎の区間になります。
生徒の中には成長と共に自主通学が可能になる子どももいるとのこと。
もちろん完全に諦めているわけではありませんが、私たちの子どもは知的障害の度合いが重たいので少し難しいかなというのが本音です。
感情は非常に大事ですが、あくまで現実とは切り離して考えることが重要です。
特別支援学校には、高等部まで通うことになります。
付き添いが必要な期間は12年間
皆さん、想像してみてください。
12年間は、決して短くありませんよ。
それでも我が家は、特別支援学校の近くの土地を選びませんでした。
もちろん期間を十分に理解したうえでです。
理由は、家族全員の生活を天秤にかけた結果です。
だって12年間ですよ。
人生100年時代で、健康でバリバリに動けるのが50~60年くらいでしょうか。
そのうち、約5分の1の期間を通学に付き添う必要が出てきます。
もし、障害のある子どものことだけを考えれば近い方がいいに決まっています。
でも我が家には他にも家族がいます。
私たち家族の生活は、学校だけで成り立っているわけではありません。
しおりちゃん学校に近い方がいいと思ってたけど、そんな単純ではないんだね
ノートくん近さだけでは決められないよ。とても長い期間通うからこそ、家族全体の生活を考えよう!
家族全体の生活とは?|土地選びで重視した4つの判断基準
では、家族全体を意識した生活とは具体的にどんなことでしょうか。
ここでは、我が家の土地選びで重視した判断基準を4つ紹介します。
- 兄弟のコミュニティを配慮
- 縁もゆかりもない土地への移住
- 利用している施設の距離
- 職場が遠方になるリスク
これから特別支援学校入学を考えている方、もしくはお子さまの発達が遅れていて将来が不安な方はぜひ参考にしてみてください。
それぞれ詳しく説明していきますね。
① 兄弟のコミュニティを壊したくなかった
障害のある子どもだけが家族ではありません。
弟たちも同じく大切な家族です。
今住んでいる場所には、幼いながらも兄弟たちが作ってきた友人関係や地域のつながりがあります。
通いなれた場所や近所の子どもとの日常。
それを全部リセットして、特別支援学校のために見知らぬ土地に引っ越すことは、果たして正解なのでしょうか。
私は、兄弟にとって大きなダメージになると思いました。
では長男のことは気にしないのか?
いいえ違います。
特別支援学校は、既にこのような家庭への理解があるのでしょうか。
スクールバスなどの通学に不可欠な仕組みが整備されています。
スクールバスを上手く利用すれば今の環境を維持したまま、長男も必要な支援を受けることができると判断しました。
私には誰が一番など、兄弟を優先する順位が付けられません。
ある意味、判断すべき立場の私がどこかで曖昧にしているのは罪深いものかもしれません。
とはいえ、障害児家庭では皆平等はなかなか難しいものです。
どこか譲ってどこかで諦めることが少なからず出てきます。
障害のある子のために兄弟が犠牲になる。
そういう構図は、私の望みではありませんでした。
② 縁もゆかりもない土地への移住リスク
特別支援学校の近くに引っ越すということは、
私にとっても、
妻にとっても、
子どもたちにとっても、
今の住まいにとっても、
まったく縁のない土地に移ることを意味していました。
もちろん、人生の節目節目で初めての場所へ行くことはあります。
- 進学で初めての一人暮らし
- 社会人になった配属先
でも家を建てたり、ずっとそこに住むと決意する場所は違いますよね。
自分が育った故郷や人生の節目で過ごした場所
もちろん、まったく知らない土地を選ぶ人もいるかもしれません。
その選択を否定しているつもりはありません。
あくまで我が家の場合、できれば自分たちの知っている場所に住みたいという願望があっただけです。
土地勘がなく、知り合いや困ったときに頼れる人がいない環境。
もし環境を変えれば、障害児育児という負荷の高い生活を続けることへの不安が拭えませんでした。
家は「建てる」ことがゴールではありませんよね。
きっと、そこで何十年も暮らすことを前提としている人が多いはずです。
土地との縁は、自分たちの生活に直接影響してくると判断しました。
私たちの場合、ちょうどこのタイミングで家づくりを始めるきっかけとなる出来事がありました。
障害児家庭ならではの家づくりの工夫を記事にまとめていますのでよかったら読んでみてください。
③ 放デイ・ショートステイが近くにない問題
これが実は一番大きな理由かもしれません。
何故なら最初は、比較的に地価の安い故郷に移住することも検討しました。
ノートくん故郷はいわゆる「田舎」だから比較的に土地が安いよ
しかし福祉に関するサービスが理由で、この条件を見送ることになります。
障害のある息子は特別支援学校だけではなく多くの支援サービスを活用しています。
もちろん、これらのサービスは別の地域で新たに契約することも可能です。
ですが、単純に新しい契約先を探せばいいというわけでもありません。
そこには、時間をかけて息子が築いた施設との信頼関係があります。
他の兄弟のコミュニティに目を向けていることと同じように、長男のコミュニティも確実に出来上がっていたのです。
そして特にお世話になっているのが、放課後等デイサービス(放デイ)とショートステイです。
サービス内容や我が家の活用方法が知りたい方は、それぞれ別の記事でまとめていますので参考にしてみてください。
▶放課後等デイサービスはこちら
▶ショートステイはこちら
現在利用している放デイとショートステイは、今の自宅から車で30分圏内にあります。
車で30分と言われてもピンときませんよね。
体感がですが、実際に1年以上利用して「送迎の負担感を大きく感じていないかな」といったところです。(※個人差はあります)
特別支援学校の近くに移住した場合、同じ施設を利用しようとすると送迎は1時間〜1時間半になっていた見込みです。
往復3時間の移動が加わる生活を想像してみてください。
正直かなりしんどいですよね。
そうなると、必然的に新たな契約先を探す必要があります。
障害児家庭にとって、支援が途切れることは致命傷になりかねません。
「学校に近い」
でも、別のサービスが遠くなる。
このトレードオフに気づいていないと、引っ越してから後悔することになるかもしれません。
しおりちゃん本当に大袈裟ではなく、それくらい大事な支援だよね。
ノートくん冠婚葬祭にレスパイト。人それぞれ用途は違うけど生活を支えるサービスだよ。
④ 職場が遠くなることの「地味~」な影響
これは自分のことなので少し言いにくいことですが、正直に書きます。
まず前提として、時には根性論も大事です。
泥臭く継続することで、大きな成果が出ることだって実際にあります。
家族のために遠距離通勤を頑張ることを否定する気はまったくありません。
でも、視点を変えて通勤を見てみると必ずしも遠距離が正解とも限りません。
子どもの生活は、もちろん大事です。
友人関係や周辺環境など、なるべく整備してあげたいものです。
しかし一方で、子どもにとって父親や母親の影響が大きいことも事実です。
ノートくん自分の父親は幼いころに仕事で帰りが遅かったから、寂しい日もあったな~
しおりちゃん家族のために頑張っていることは分かっているけど、小さいときは寂しく感じるよね
あなたの帰りを待つ家族います
なのに、通勤時間が増えれば、
帰宅時間が遅くなり、
疲労が積み重なり、
子どもの迎えに行けない日が増える
少し遠くなるだけでも、生活全体に「地味~」に効いてくると思いませんか。
障害児育児はもともと体力と精神力を消耗する毎日です。
そこに職場が遠くなるストレスが加わることの影響を、軽く見てはいけないと思いました。
特別支援学校の近くに住まない|スクールバス基準の土地探し2つのポイント
このように4つの判断基準から私たち家族は、特別支援学校の近くに住まないと決めました。
では、息子の通学のことをどう乗り越えるのか。
そこで考えたのが「スクールバスのルート」でした。
スクールバスが通るエリアに住めば、毎日の送迎は不要になります。
しかし障害のある息子は、落ち着いて長い時間座っていることが苦手です。
そのため、土地探しでは2点ほど大事にしたポイントがあります。
- バス亭までの距離が近い
- 乗車時間が30分前後の位置関係
バス停までの距離は重要です。
息子が癇癪やパニックを起こしたら、大人でも移動を補助するのは大変です。
あまり遠い場所にバス停があるのは理想的ではありませんでした。
スクールバスの停車箇所を軸にした土地を探しについては「土地探しからの家づくり|障害児家庭が注文住宅で失敗しない優先順位と探し方」で詳しくまとめていますので参考にしてみてください。
もう1点はバスの乗車時間です。
バスの中でじっとしていなければならない時間が長くなればなるほど、本人にとっても周りにとっても負担になります。
そのため、スクールバスの乗車時間が過度に長くならないエリアを意識して土地を探しました。
普段からの様子を見ている限り、息子の限度は大体30分前後です。(※あくまで我が家の場合です)
これを超えると、大人しく座ることが難しくなります。
- シートベルトを外そうとする
- 靴下や服を脱ごうとする
- 癇癪を起しだす
夫婦で車で一緒に乗っているときは良いですが、1人で運転しているときにこの状態になると危険ですよね。
兄弟のコミュニティも壊さず、今の生活を維持できる特別支援学校まで車で30分前後の場所…
ノートくん今のエリアじゃん!
しおりちゃん今のエリアじゃん!
夫婦で意見が一致した私たちは、今住んでいるエリアでいい場所がないか探し始めました。
土地探しでは、障害のある長男だけでなく弟たちのことも加味して考えました。
徒歩で通学する必要があったので、小学校までの距離について我が家なりの考え方を詳しくまとめています。
よかったら参考にしてみてください。
乗車時間の約30分は、子どもの特性を考えたときに「ぎりぎり許容できる」と判断した範囲です。
実際どれくらい乗車時間がかかるか分からない方は、特別支援学校に確認すれば事前に把握できます。
もし入学を機に引っ越しを考えている人は、土地や家探しの段階でこの情報を取りに行くことを強くお勧めします。
通学のリアル|スクールバスと参観日タクシー1万円の話
そんなこんなで今のエリアで住む場所を見つけた我が家ですが、スクールバス通学ならではの苦い経験もあります。
実際にスクールバスで通学している今、正直に感じていることを書きます。
スクールバスで良かったこと
毎日の送迎が楽です。
もうこれに尽きます。
朝、バス停まで連れて行って乗せるだけ。
帰りはバス停で待つだけ。
これだけで、日々の生活の負担が大きく変わります。
幼稚園は徒歩で園まで送迎する必要がありました。
障害児含む3人の幼い子どもを連れて徒歩での通園はとても大変です。
当時を乗り切った工夫が気になる方は「幼稚園や保育園の通園方法|徒歩の家庭はベビーカー代わりのCT-WAGONがおすすめ」の記事を参考にしてみてください。
スクールバスがあれば、私の仕事がある日でも妻一人でも対応できます。
苦い思い出|参観日のタクシーで往復1万円
一方で、課題というか地味に痛い出費もあります。
参観日など、学校に直接行かなければならない日がありますよね。
もちろん、なんとかして私も行きたいんです。
でもやっぱり行けない時もあります。
その場合に妻が一人で行くことになりますが、移動手段はタクシーです。
妻は、いわゆる「ペーパードライバー」です。
ペーパードライバー用の講習を受けて、コンパクトな軽自動車を購入することも考えました。
ですが今のところ車が無くて困っているのが、特別支援学校の参観日くらいです。
年に何度もあることではありません。
講習代や車の購入・維持費を考えると、どう考えてもタクシー往復で1回1万円払う方がいいのは分かってます。
でも1万円…
年に数回とは言え1万円…
一般家庭において唐突に発生するこの
「1万円」
いやこれは十分、痛い出費です。
しおりちゃん参観日のたびに1万円はさすがにきついよね…
ノートくんでもそのために車1台買い足すコストと比べたら、年数回の出費の方が現実的だろうね
この判断をするとき、こう考えました。
「参観日のために妻が運転できる小さい車を買う」か、「年に数回のタクシー代を払い続ける」
維持費・保険・駐車場代まで含めると、車を増やす方がコストが高くなりますよね。
参観日の頻度を考えたとき、タクシーで対応する方が合理的でした。
もちろん、公共交通機関の利用も考えました。
でも、弟たちの幼稚園の送迎を含めて考えると時間的な都合が合いません。
仕方なく、現状はタクシー対応で割り切ってます。
結論、
なるべく仕事を調整して参観日にいきます(笑)
だって行きたいですしね。
これは我が家の判断です。
もし参観日以外にも車が必要な場面が多い場合は、答えが変わると思います。
特別支援学校の近くに住まなくて後悔していないか
後悔していません。
この記事にたどり着いた読者の方は、やはりここが気になるのではないでしょうか。
子どもたちは今も同じ環境・同じ友人関係の中で生活しています。
私の通勤時間も大きく変わっていません。
放デイとショートステイは今の場所で継続できています。
家族の生活スタイルを崩さずに、障害のある子どもの通学も成立しています。
これが、我が家にとっての正解でした。
ただし、これはあくまで我が家の話です。
特性が違えば、スクールバスに乗れない場合もあると思います。
毎日の送迎が必要な場合は、近いほど良いに決まっています。
家族構成や職場の場所、兄弟の年齢によっても答えは変わります。
私が伝えたいのは「特別支援学校に近い方がいい」という思い込みがあれば、一度立ち止まって考え直してみてください。
家族全員の生活を地図に置くことで答えが少し変わるかもしれません。
しおりちゃん選ばなかったことはどうなるか分からないけど、今の選択で後悔はしていないよ
ノートくん家族全員の生活を地図の上に並べて考えたから、納得できる選択ができたと思ってる
まとめ|土地選びは家族全員の軸で考えること
特別支援学校の近くに住むことで通学が楽になるのは事実です。
でも家族全員の生活で考えてみたらどうでしょうか。
その一点だけで成り立っているわけではありませんよね。
我が家の判断基準は大きく4点です。
- 兄弟のコミュニティを守ること
- 家族にとって慣れた土地に住み続けること
- 放デイ・ショートステイへのアクセスを維持すること
- 親の職場と生活体力を守ること
その結果、スクールバスで30分という距離の場所を選びました。
参観日のタクシー代など日ごろの生活で気になる点があることも事実です。
しかし選んだ場所には、それを上回るメリットがあると感じています。
障害を抱える子どものことが気になる気持ちは痛いほどよく分かります。
なんとかその子のためにならないかと考える愛情はとても大事です。
そんな優しいあなただからこそ一度立ち止まって家族全員の生活を含めて考えてみてください。
今、住む場所に迷っている方の参考になれば嬉しいです。
それでは皆さん、いい家つくりましょう!
▶ 家づくりで何から始めればいいか分からない人は、こちらも合わせて読んでみてください。




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